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薬物は非犯罪化すべし 「麻薬と人間」を読んで

「麻薬と人間 100年の物語」 ヨハン・ハリ 著  作品社

100年前にアメリカ連邦麻薬局初代局長ハリー・アンスリンガーが始めた麻薬撲滅運動(麻薬戦争)にどんな成果があったのか。本書はそれを世界各地で調査し、徹底検証している。
結果は< 麻薬依存症が増えた。そして、ギャングは麻薬売買を資金源にして勢力を増した。>である。

筆者は以下のようにまとめている。
薬物合法化の否定的な点は薬物使用者が増えること。
対して肯定できる点は武装ギャングが資金的に行き詰まる。殺人率も大幅に減る。警察が他の犯罪の捜査ができるようになる。10代の青少年が薬物を手に入れることが難しくなる。
過剰摂取が大幅に減る。HIV感染率も劇的に減る。依存症の治療にもっと資金を投入することができ、依存症が減る。

私、高野の印象に残った箇所を以下に要約または抜粋した。
p314
カナダの事例、薬物政策を変えて10年経って、薬物関連の死亡者が80%減少、平均寿命劇的に伸びた。

p344
スイスの事例、治療プログラムは患者一人につき一日あたり35スイスフラン、薬物使用者を逮捕して裁判にかけ、有罪にするためには一日あたり44フラン掛かる。

p356
取り締まりが厳しくなればなるほど、薬物は強いものになっていく。隠すために濃度を濃くするからだ。

p367
ポルトガルでは2001年に薬物使用者と依存者を公的に迫害することがなくなった。新たに制定された法律には、娯楽として薬物を使用する人々については
<何よりもまず、烙印を押すことも疎外することもしてはしてはならない>と書かれている。また、依存者に対して国がして良いのは<治療を促す>よう働きかけることだけだ。
個人的に使うのであれば、10日分の薬物を所持していても犯罪ではなくなった。

p383
依存症は支援を必要としている人。普通の市民の中の、問題を抱えている市民。ポルトガルではヘロインが非犯罪化してからの数年間で、ヘロインの使用量は半減した。
一方、薬物戦争を続けているアメリカでは倍増している。

p405
マリファナを合法化したら、かなりの人が酒で酔っぱらうより薬物で酩酊してリラックスするようになると思われる。
カリフォルニア州ではかかりつけ医が簡単にマリファナを処方するようになり、自動車事故が8%減少した。

p409
処罰ー蔑み、閉じ込め、失業ーこれこそが依存症から脱却できない理由なのだ。

p477
国連薬物犯罪オフィスでさえ、現在違法とされている薬物の使用者のうち90%は何の問題も抱えていないことを認めている。
薬物は使用者に悪影響を及ぼすものではなく、依存症を招くものでもないということ。
依存症になる10%は薬物の使用に原因があるのではなく、依存を進めてしまうような問題を抱えているためだ。

抜粋以上。

メキシコでは薬物の収益を奪い合いギャング同士が壮絶な殺し合いをして民間人も巻き添えになっていることも記述されている。
薬物戦争は警察や軍隊を買収するほどギャングは肥大化させた。
全てがアメリカが薬物戦争をはじめ、世界にそれを押し付けたからだ。

本書について日本の新聞社も書評している。

日本経済新聞
「頭をガツンと殴られたような」という比喩がある。本書の読後感はまさしくそれだ。
この本が欧米でセンセーションを巻き起こしたのもよくわかる。
アメリカを筆頭に世界中で繰り広げられてきた麻薬との戦いは、まったくの無駄であったというのだから。
いや、それどころか、麻薬の使用を違法とし、取り締まりを厳しくすればするほど、麻薬への依存者は増え、
マフィアやカルテルのような犯罪組織が肥大化してしまった。

朝日新聞、産経新聞も同様に評価しているが、報道姿勢は相変わらずで薬物の非犯罪化など全く触れていない。
マスコミは暴力団と癒着しているのか、依存者を増やしたいのか。

「タイムズ」紙は以下のように評している。
「私たちは麻薬について何も知らなかったと思わせる。100年前から始まった麻薬取締り政策により、ギャングが社会にはびこったこと。
両者は補完関係であり、南米の麻薬カルテルをも生み出したこと。麻薬禁止の根拠である依存性については、様々な科学的異論があること。
非犯罪化が世界的な流れである現在、実にタイムリーであり、麻薬に対する私たちの認識を変える一冊である」

ロス警察・麻薬取締部スティーヴン・ダウニングは
「麻薬に関わる人々の人生が生々しく描かれる。本書の知見を取り入れて、新たな政策を考える必要があるだろう」と述べている。
大麻規制検討小委員会の方々も是非この本を読んで欲しい。

「NYタイムズ」年間ベストセラー
あなたが麻薬について知っていることは、すべて間違っている。

エルトン・ジョン(歌手)絶賛
「ガツンとブッ飛ばされるくらい 衝撃的な一冊!」

話題騒然の映画(2021年公開)
「アメリカvsビリー・ホリデイ」原作

看板に偽りなしの名著である。

 

誰も幸せにしない薬物戦争はもう終わらせよう。

 

高野泰年

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