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大麻は薬物依存症を治療するイグジットドラッグ

改正大麻取締法は衆参両院で可決された。ついに大麻使用罪が創設されてしまったが、国会で審議されたことで大麻議論がオープンになった。
「ちょっと真面目な麻のTV」にはれいわ新選組の山本太郎代表、有志の会の福島伸亮議員が登場する予定だ。彼らは大麻使用罪に問題があり、もっと慎重な審議が必要だと考えている。
一方使用罪を推進した自民党や公明党も登場いただいて、議論を深めていきたいと思っている。
さて、国会での審議で神奈川県立精神医療センター副院長の小林桜児氏の発言は歴史的なものであった。
彼の医院に訪れる大麻使用者は全く困った様子がないのだと言う。発言はおよそ以下の通り。
「若い人が親御さんに連れてこられて病院にくるわけですが、本人は何も困っていない。むしろ『大麻によって自分は不眠に苦しんでいたのが眠れるようになった』
『職場のプレッシャーがあるのに、大麻の効果でリラックスして仕事ができるようになった』という。『大麻によっていいことはたくさんあるけれども、害は別にない。幻聴も聞こえないし、鬱もない。
むしろ今、自分から大麻を奪われる方が鬱になって辛いんだ』。そういう若者がたくさんいる」

福島議員はこれをもって大麻に健康被害はないと解した。その場にいた誰もが健康被害がないと理解するだろう。
日本の裁判所は<大麻の有害性は公知であり、議論の余地はない>としてきたが、厚労省の有識者会議の委員でもある小林氏の発言により、それが崩された。
今後の裁判で大麻取締法の欠陥がより明らかになるだろう。
進行中の大藪龍二郎氏の裁判の展開に注目だ。おかしな判決を出せないように圧力を掛けていきたい。
当裁判は支援を募集中しているので、ぜひ応援して欲しい。

大麻取締法違反容疑で起訴された大藪龍二郎さんの裁判費用ご寄付のお願い

大麻取締法違反容疑で起訴された大藪龍二郎さんの裁判費用ご寄付のお願い

ちなみに小林氏は大麻の20~30年もの長期使用により統合失調症やうつ病、依存症が引き起こされ得ると言っているが、そんな人は医院に来ていないようだ。
以前は使用罪反対の立場だったのに、すっかり御用学者に成り下がってしまった小林氏だが、なかなか良い仕事をしてくれた。

小林氏は以下の迷言も残している。
「何かしらそれ(使用)に伴って困ったことがなければ、メリットとデメリットを自分の頭の中で考えて、『これはデメリットの方が上回るな』という考え方にならなければ、行動を変えようとは思わない」
「司法というおせっかいが患者さんの回復に役立つと思います」
おせっかいで刑務所に入れられたらたまったものではない。こんなトンチキを有識者として招集する厚労省は国民をバカにしているのか、底なしの恥知らずなのだろうか。

厚労省やマスコミはもう健康被害を争点にできなくなったようで、ひたすらゲートウェイドラッグ理論を主張してくるようになった。
日本の大麻事犯の検挙者が増え続ける一方で、覚醒剤の検挙者は減り続けている。ゲートウェイドラッグ理論はとっくに崩壊しているのだが。
そもそも大麻合法化国で覚醒剤使用者が激増していない時点でゲートウェイドラッグ理論などゴミ箱行きだ。
大麻は薬物依存症を治すイグジットドラッグである。
番組でもイグジットドラッグ理論を押し出して、せっかく生まれ変わった大麻取締法を早々に廃止へと追い込んでいきたい。

マリファナの新たな可能性:薬物依存症の治療 スーザン・スカッティ、CNN 2017年5月17日
https://edition.cnn.com/2017/05/17/health/addiction-cannabis-harm-reduction/index.html

マリファナが出口ドラッグであることの証明
https://www.cannamd.com/proof-marijuana-is-an-exit-drug/

マリファナはオピオイド危機を終わらせるのに役立ちますか?
https://www.theguardian.com/society/2019/apr/01/marijuana-opioids-crisis-exit-drug

また改正大麻取締法は違反者の更生や社会復帰にも配慮することが求められているが、ちゃんと守られるのか監視する必要がある。
少なくとも二度の有識者会議でとりまとめに記述されているのに、何ら実行されないのなら税金を使って無駄な会議をしていることになる。
警察やマトリは昇進のための点数稼ぎに血道を上げている。逮捕が解雇や退学に繋がり、違反者が社会から排除されても警察は何とも思っていない。
マトリには社会復帰を促す部署があるが、長々と拘留しておいて何を言っているのか。社会復帰させたいなら逮捕するな。
バカでもわかることだ。

そして法改正により医療大麻が解禁されるが、最近マスコミは<医療大麻>と言う言葉を使わなくなった。
大麻のイメージがポシティブになるので厚労省が指導したのだろう。無駄な足搔きである。医療に使えるなら、健康にいいに決まっている。
バカでもわかる。

なぜ人々は大麻を使用するのでしょうか? – 成人ユーザーの 90% 以上が、単にハイになるためではなく、健康とウェルネスを理由にしていると答えています
https://cannabis.net/blog/news/why-do-people-use-cannabis-over-90-of- Adult-users-say-for-health-and-wellness-reasons-not-just

日本の大麻行政はバカに次ぐバカの連続だ。「バカでもわかる大麻合法化の国益」は実に日本に適ったタイトルだ。
改正大麻取締法はパンドラの箱を開けた。
私たちは大いに異を唱え、今度こそ<大麻で逮捕>を止めさせ、大麻の健康利用を実現させるのだ。

参考
医療記者、岩永直子のニュースレター
大麻使用罪に賛否「司法のおせっかいで使用者を困らせることが必要」「依存症者は厳しさではなく、社会の優しさで変われる」
https://naokoiwanaga.theletter.jp/posts/3dc5e560-7f5b-11ee-bfd2-e19ba93e615c

大麻規制のあり方に関する大麻規制検討小委員会
議論のとりまとめ
https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001002508.pdf
13ページ
今後の普及啓発活動についても、一次予防のみならず薬物依存症者に対する再発防止や社会復帰等の支援の重要性を踏まえ、進めていく必要がある。
単に薬物が危険であり、犯罪であるから使用しないというメッセージの発信のみならず、薬物依存に至る社会的な背景に対処し、メンタルヘルスの側面を含めた若者の抱える問題や多様性を考慮するとともに、薬物依存症者のスティグマ解消にも配慮していくことが望まれる。

高野泰年

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