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愛知県の大麻取扱者免許申請審査基準 前編

こちら愛知県では現在大麻草栽培者はおらず、新規の栽培も基本的に認めていません。
この基本的にというのは、大麻草でないといけない神事や伝統文化に使用する目的以外での栽培は許可しないと言うことです。

愛知県の医薬安全課のサイトから大麻取扱者免許申請審査の書類が閲覧できます。研究用に栽培、使用する大麻研究者用のものも含めて35ページあります。
http://www.som.pref.aichi.jp/gyoute/syozoku/e2300/dat/2130b.pdf
目的、人的要件、物的要因、栽培方法、申請書類、取消処分の審査基準が記されています。
審査基準は大麻取締法に基づいていますが、「大麻栽培を必要とする十分な合理性」を審査するに当たっては厚生労働省通知を参考とするとあります。
参考という表現ですが、平成11年から29年に出された6件の通知が地方の担当役所へルールとして周知されます。

この歴年の通知は大麻栽培希望者と厚生労働省の戦いを経て、大麻取締法が定めていないことを厚生労働省が禁止にしていった記録でもあります。
上記愛知県ルールの「神事や伝統文化に使用する目的以外での栽培は許可しない」はこれら通知により制定されました。

平成11年1月14日付けの通知は愛知県の大麻取扱免許交付却下処分に対する審査請求の裁決を伝えるもので、その後の免許交付審査の基準になりました。

許可申請者は食用目的で自宅バルコニーでの大麻草栽培を申請したのですが、以下の理由で却下されました。
1 個人の趣向のみの栽培理由では、大麻栽培を必要とする十分な合理性がない。
2 現在の社会状況から判断するに、むやみに栽培免許を与えることは濫用お助長する恐れがある。

これを受けて申請者が免許交付却下処分は違憲・違法または不当な処分であるとして、その取消しを求めて平成10年に行政不服審査法に基づいて審査請求をしました。
主張は以下の通り。
1 に対しては憲法第13条、第25条及び第31条並びに大麻取締法第5条に違反する
2 に対して合法的に根拠がなく、憲法第13条、第14条、第25条、及び第31条並びに大麻取締法第5条に違反する

これに対して厚生労働省は、
まず「大麻取締法は法律上その目的規定は規定されていないが、麻薬および向精神薬取締法と覚せい剤取締法と比較考量する」としています。
大麻取締法は目的規定のない欠陥法なので他の法律で補強するということです。その上で申請人の主張に対し以下のように反論しました。

1 「個人の趣向のみの栽培理由では、大麻栽培を必要とする十分な合理性がない」について大麻取締法は大麻の不正取引及び不正使用を防ぐために、取扱いを免許制にして大麻に関する一定の行為を規制している。
種子や繊維を農作物として出荷したり、伝統的な祭事に利用したり、栽培技術を代々継承したりするなど何らかの社会的な有用性が認められるものでなければ大麻の栽培に必要とする合理性がないものとして、免許権者の判断により免許申請を却下することができる。

2 「現在の社会状況から判断するに、むやみに栽培免許を与えることは濫用を助長する恐れがある」について請求人の主張するようにアルコールやタバコと比較して大麻の規制が不合理な差別であり違憲であるとは認められない。大麻の有害性を無視した上で、むやみに栽培免許を与えることは濫用を助長する恐れがあるとする原処分の理由には合理的な根拠がないとする請求人の主張は認められない。

結論として免許交付却下処分は違憲・違法又は不当な処分であるとは認められない。

この裁決は裁判所ではなく厚生労働省が下したものです。現在に至るまで厚労省は大麻の有害性を合理的な根拠をもって示していません。
大麻取締法の目的規定がないのも実害が見当たらないからです。申請者はそれでタバコやアルコールを引き合いに出したのだと思われます。

しかしこの後、さらに規制は強化され「種子や繊維を農作物として出荷したり」することすら許されなくなります。

続く。

高野泰年

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