国連人権委員会は薬物の個人使用を非犯罪化せよと勧告する
薬物の個人使用に刑罰を科すな。これが国連の方針である。
野中烈氏のNOTEより
国連恣意的拘禁作業部会、個人使用の薬物所持・栽培の非犯罪化を勧告
https://note.com/tsuyoshi_nonaka/n/n644277ff3550
薬物使用者の人権において日本は野蛮な未開国である。
タレントが薬物使用で逮捕されると見せしめの如く報道され、一般人は一斉にバッシングする。
しかし、薬物の個人使用は誰にも迷惑を掛けていない。
南アフリカやメキシコでは裁判所が立法府に命令し、非犯罪化させている。
南アフリカ憲法裁判所 2018年 「大麻の個人使用は合法である。」
「プライバシーの権利は家や個人の住居に限定されない。したがって、成人がプライベートスペースで大麻を使用したり、所持したりすることは刑事犯罪にはならない。」
https://www.afpbb.com/articles/-/3190054?act=all
メキシコ最高裁 2018年 「大麻を私的に使用することを禁止するのは憲法に違反する」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN111YX0R10C21A3000000/
「薬物使用には刑罰より治療を」このハームリダクションの概念は日本にどれほど浸透しているだろうか。
私が全国の厚生局麻薬取締部のうち、10カ所に電話調査したこところ、9か所が職員間でハームリダクションの情報を共有しているとのことだった。
昨年、厚労省で半年間で8回に渡って行われた大麻等の薬物対策のあり方検討会ではハームリダクションを巡って激しい議論があり、省内では認知されているようだ。
一方、法務省はさっぱり認知していないようであった。
法務省の人権擁護局は全国の法務局に人権擁護委員会を配する人権の総本部のはずが、とても奇妙である。
法務省には検察局があり、薬物事犯の拘留期間の裁量はここにある。
また薬物事犯の再犯防止に取り組む部署もある。
拘留期間を短くしたり、少量の使用を不起訴にするなど、まずは解雇や退学を起こさない取り締まりをするのが法律を変えずに実行できるもっとも有効なハームリダクション策の一つだ(社会から疎外され、孤立すれば更生がより難しくなる)。
法務省がもっと踏み込めば、事実上の非犯罪化すらも可能なのだ。
厚生局麻薬取締部がハームリダクションを理解しているのは、再犯防止のための部署があるからだと思っていたのだが、法務省だと事情が違うのだろうか。
何が行政を歪めているのか私にはわからないが、私たちがすることは決まっている。
法務省がハームリダクション政策を実施し、かつ世間に周知させるように圧力を掛けることである。
加えてラジオ番組などメディアで発信したり、全国のダルクや薬物依存者家族会などに協力を仰いでいく。
また全国の自治体にも人権推進課のようなものが必ずあるので、ハームリダクションの周知をしていく。
ハームリダクションは薬物依存者の尊厳を守ることを基盤としている。
今の日本はそんな発想あるだろうか。
厚労省と協力してダメ。ゼッタイ。キャンペーンを展開している<麻薬覚せい剤乱用防止センター>の発行する冊子には薬物使用者はゾンビのように、あるいは刃物を振り回す危険な存在のように描かれている。
その他にも大麻を吸うと漢字が書けなくなるとか一度乱用すると二度と治らないなど誤った情報に満ちている。
同センターはハームリダクションを全く理解しようとせず、人権侵害に邁進している。関係団体から抗議を受けても全く改める様子がない。私も再三抗議をしている。
「ダメ。ゼッタイ。」ポスターを貼らないで!薬物依存症家族会の悲痛な叫び
厚労省はハームリダクションをしっかり理解しているのに、逆行して大麻使用罪を創ろうとしている。
法務省は本来、進んで厚労省を正すべきではないか?
参考
「依存症には刑罰より治療を」 米国国立薬物乱用研究所(NIDA)所長
https://note.com/tsuyoshi_nonaka/n/n20c700f9e027
高野泰年