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第5回「大麻等の薬物対策のあり方検討会」傍聴を依頼した記者からの報告

第5回「大麻等の薬物対策のあり方検討会」傍聴報告書

【開催日時】令和3年4月23日(金)16:00~18:00

【場所】 TKP新橋カンファレンスセンター(非公表)

【議題】(1)日本の麻文化を守るために

(2)これまでの委員からのご質問に関する回答と追加説明

(3)とりまとめに向けた今後の検討課題

【検討会実施者】厚生労働省医薬・生活衛生局

監視指導・麻薬対策課 大澤一利(課長補佐)赤石美生(薬物乱用防止係)

【検討会座長】鈴木勉(厚生労働省審議会委員、湘南医療大学特任教授)

令和3年1月20日に第1回がはじまり、第5回目となった同検討会。

大麻の取り締まり強化などについて有識者によって議論され、厚労省が報告書をまとめている。今回は上記3題を中心に厚労省担当者から報告並びに説明があり、それを受けさまざまな意見が交換された。

厚労省からまず報告されたのは、大麻草のTHC(テトラヒドロカンナビノール)の有害性について。それは極めて有害な成分で、その乱用は社会に悪影響を及ぼすとした。その見解にもとづいて、大麻取締法があり、無許可の栽培や所持等は法律で厳しく罰せられることも確認。また、今後は大麻取締法を違反した場合、「厳罰化」の流れにあることを示唆した。

厳罰化については有識者から慎重論を含む多様な意見が出たが、厚労省は若年層の大麻使用が広がっている実態、諸外国との比較データを紹介し、我が国の覚せい剤・大麻を含む薬物事犯が過去10年で最多であること、特に大麻は増加傾向であると警鐘を鳴らす。医師や薬物乱用者の社会復帰・医療支援をする関係者から「単に増えているから厳しくする。はたしてそれでいいのか」という声もあり、治療している当事者や家族にとっては、「ダメ、ゼッタイ」という強いメッセージは精神的な負担になるという知見も出た。薬物乱用防止対策として一次予防、二次予防の必要性が議論され、正確で、より伝わりやすい効果的な情報発信、啓発活動を推進することを重要な課題とした。

THCの有害性をデータからひもとく一方で、市場に流通しているCBD製品についても言及。過去にTHCが混入したCBD製品が発生した事例もあることから、国内におけるCBD製品の流通実態を把握するため、国内販売状況調査や買取調査を行っていることを説明。食品、化粧品、雑品などのCBD製品が、どれくらいの大麻成分が入っていて、どれくらいの価格で販売されているのかを調べているという。買取調査については、対象製品はすべてTHCが不検出だったことをあらためて報告した。

さらにCBD製品の商品ラベルに大麻の葉っぱの写真がついていることに規制はないのかという指摘があったが、厚労省は「大麻取締法では大麻の広告をしてはならないという規定がある」とし、そのうえで「製品は乾燥した茎と種から取れたCBDのはずですが、そういう意味で葉っぱから取れたものと誤認を与えるようなものならば、第4条の広告制限にあたるかもしれない。少し精査して確認したい」と発言した。また栽培用大麻については、流通管理や適正使用をしっかりやっていくことが大事であるとし、有識者からはTHCとCBDの成分規制にしていくべきではないかという意見が多かったことも付け加えた。

厚労省の検討課題は大きく4つで、①大麻取締法のあり方 ②再乱用防止・社会復帰支援等 ③医療用麻薬及び向精神薬 ④情報提供、普及啓発。これまでの議論をふまえて、今後の方向性が見いだせるよう議論をまとめていくという。

次回の検討会は、令和3年5月14日。

以上。

厚労省はTHCは極めて有害な成分で、大麻取締法違反は厳罰に処したいという姿勢だが、ハームリダクションを求める委員の意見を無視する気だろうか。
THCとCBDの成分規制について現行の部位による規制よりはTHC濃度による規制が望ましいが、CBDまで規制する必要はないはずだ。
次回の第6回は5月14日開催。<議論を早々に打ち切って、無理やり厳罰化>という展開にならないことを祈る。

高野泰年

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