第3回「大麻等の薬物対策のあり方検討会」議事録の感想
厚労省 第3回「大麻等の薬物対策のあり方検討会」 議事録(2021年3月31日公開) by北海道ヘンプ協会
https://note.com/hokkaidohempnet/n/n35a919bf9ff1
第3回の議事録が第四回の開催日に公開されました。第三回を受けて厚労省に意見を言おうにも、それが届かないようにしているとしか思えません。
議事録はもっと早く公開すべきだし、マスメディアはちゃんと報道しないといけません。秘密裏に会合を進行させないように厚労省に要望したいと思います。
第三回はハームリダクションを中心にした会合になっています。薬物依存症におけるハームリダクション(直訳:害の低減)とは「処罰より治療」を施して、心と環境をケアし再使用を防ぎながら、社会復帰を促す政策・プログラムで、国際的な広がりを見せています。
薬物依存者を刑務所に入れたり、社会的制裁を加えても依存症は治らないし、有能な人材が依存症を理由に社会から排除され活躍できないのは社会的損失です。
以下、私、高野が気になった部分を簡単にまとめました。
冒頭、遅まきながらハームリダクションに取り組みはじめた法務省や厚労省の職員が長々と運用の説明をする。
ある委員に省庁を跨いでいるせいか、一体感のない運用がなされていると指摘される。
国立精神・神経医療研究センター薬物依存研究部の松本委員が以下の説明をする。
ドラッグの規制を強めるとより危険なドラッグが出回る。薬物依存症回復支援でもっとも重要なのは心の問題の解決。
予算を使わず今すぐできる対策は二つ、薬物依存症の相談を受けた医師は守秘義務を守り患者を警察に突き出さないことと、麻薬中毒者台帳は過剰な人権侵害で医療アクセスを抑止するから運用を見直せ。
以上の松本委員の説明を受けて、ある委員がしきりに危険ドラッグの規制の強化を主張し、ハームリダクションを否定する。
終いに「大麻の使用罪をつくる。ただし、初犯の場合には前科をつけない。前科がつかない処分に処す。」「今日はこれを言いたかったということです。」と発言する。
その後のダルクの職員の発言はおおよそ以下の通り。
大麻の依存症という概念があるのか疑問に思っている。厚労省の<ダメ。ゼッタイ。>のスローガンが産業大麻やCBDなど健康食品への誤解を生む。
その後にハームリダクションに否定的な別の委員からの発言がおよそ以下の通り。
やみくもに規制を厳しくすればいいわけではないが、弱くしてもよいわけではない。世界の潮流に追随することは正しくない。「ダメ。ゼッタイ。」若者向けでお母さまが子供にさとしている言葉。依存症の人に呼びかけしただけでは問題は解決しない。
以上が私が気になったやり取り。
この有識者は問題じゃないのか?と思われる委員が二名(同一人物かも)いました。人権意識が低くハームリダクションを理解していないようです。
厚労省と法務省が曲がりなりにもハームリダクションに取り組んでいることを結構な時間をかけて説明したのに、その内容を無視して大麻使用罪を訴える委員。最後にそれだけ言いに来たと白状しました。<使用罪を作るが、初犯は前科をつけない>とか何を言っているのかわかりません。
もう一人が「ダメ、ゼッタイ。」が弊害を生んでいるのに母親が子供に諭している言い方なのだと見当違いな反論をする委員。この人もハームリダクション反対。
冒頭に長々と薬物依存対策の話がありましたが、大麻の依存性はアルコールより低いのです。今回の議論は場合によってはまるで無駄になります。
いよいよニューヨーク州でも嗜好大麻が合法化に向かい出しました。大麻が本当に乱用が危ぶまれるほど危険なのかしっかり議論する方が先でしょう。
ご協力のお願い
鈴木座長や厚労省、各委員へ要望やメッセージを送りましょう。反映されるっぽいです。
メンバーの入れ替えを要求してもいいでしょう。
厚生労働省は「国民の皆様の声」を募集しています。
こちらからご意見をお寄せください。
https://www.mhlw.go.jp/houdou_kouhou/sanka/koe_boshu/
鈴木座長には面会や要望が相次いでいるそうです。
どしどし要望出しましょう。
Facebookのアカウント https://www.facebook.com/tsutomu.suzuki.7505/
所属先の星薬科大学 HOSHI UNIVERSITY 〒142-8501 東京都品川区荏原2-4-41 TEL 03-3786-1011(代表)
高野泰年