公正中立な大麻裁判を望む!
大藪龍二郎氏の大麻取締法違反裁判の第2回公判が3月25日に前橋地方裁判所で行われる。
ところが、被告側が申し込んだ証人や証拠が全て却下される一方で検察側の証人は認められるという不公正な状態になっている。
日本の刑事裁判で有罪判決が下る確率は99.98%。
勝ち目がないと起訴しないという検察のスタンスもあるが、裁判所が検察に味方をしていると疑われても仕方ない数字だ。
判検交流という裁判官と検察官が互いの職務を経験しあう人事交流制度が2012年まで施行されていた。
癒着が懸念されて廃止されたのだが、戦後から永く続けられていた関係がまだ解消されていないのだろう。
大麻の使用が厳罰を課さねばならないほどの罪なのか。
南アフリカ憲法裁判所も2018年「大麻の個人使用は合法である。」と判決を出している。
メキシコ最高裁は2018年「大麻を私的に使用することを禁止するのは憲法に違反する」との判決を下し、議会に法律の改正を求めた。
その後メキシコは嗜好大麻が合法化した。
アメリカでも医療大麻が導入される際は各州の裁判所が合法と判断したのに対して、連邦政府側から嫌がらせがあったという。
州の裁判所はそうした妨害を違法行為だとして厳しく断じた。
こうした裁判所の気骨ある判決が多くの州に医療大麻をもたらした。
現在もアメリカ連邦政府は医療大麻を違法だとしており、国と州でねじれた状態ではあるが、大麻の有用性を知った国民は増え続け、合法化する州がさらに増えている。
政治学者の小室直樹は著書「痛快!憲法学」で<成文法であっても、実質的な運用がなければ存在しないのと同じ>として<法律が死ぬ>という概念を解説している。
議会が誰も守らないような粗悪な法律を作ってしまったり、時代の流れや技術の進歩でも法は死んだりする。
日本でも道路の制限速度が現実に則した数字でない所では、多くのドライバーが無視して警察も取り締まらない。
自転車が車道の脇を走る法律ができたが、大型トラックがしょっちゅう駐停車している所では自転車にとってはとても危険だ。
そのため自転車が歩道を走っても警察は取り締まらない。それを取り締まっていたら交通安全に反し、本末転倒だからだ。
大麻取締法は施行されて70年を過ぎ、科学的な欠陥を指摘されるようになった。
裁判所と検察がグルになって維持するにも相当に無理がある。
日本の裁判所も南アフリカやメキシコのように毅然と判決を下し、国会に改正するように求めるべきである。
この裁判の公平性を求める署名サイトが立ち上がっているので是非署名をお願いしたい。
【公正中立な大麻裁判を望みます! 現在の大麻裁判では弁護側の証拠のほとんどが採用されません。検察と弁護側が平等に議論できる裁判を求めます。】
https://bit.ly/34IBvTq
署名の他にも、傍聴に駆け付けるのも裁判所への圧力になるだろう。
こうした取組みが無駄に終わるかもしれないが、挑まなければ物事は進まない。
私も東海ラジオ「ちょっと真面目な麻の話」でこの裁判について随時報告し、応援していきたい。
■参考
第12回ティーチイン「大麻取締法違反裁判〜大薮大麻裁判〜 その違法性や有害性とは? 妥当な刑罰とは?」
大薮裁判での検察側と弁護側の証拠不同意一覧
https://note.com/nagayoshi/n/n35f83458a35a
大麻取締法を裁く裁判
https://onl.la/zLAgvYL
https://www.afpbb.com/articles/-/3190054?act=all
南アフリカ憲法裁判所 2018年 「大麻の個人使用は合法である。」
「プライバシーの権利は家や個人の住居に限定されない。したがって、成人がプライベートスペースで大麻を使用したり、所持したりすることは刑事犯罪にはならない。」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN111YX0R10C21A3000000/
メキシコ最高裁 2018年 「大麻を私的に使用することを禁止するのは憲法に違反する」
高野泰年