「ちょっと真面目な麻のTV」第18回 ひと月遅れで放送される
「ちょっと真面目な麻のTV」第18回は令和6年5月25日に無事に放送された。
日本の状況に適した大麻合法化運動の在り方を探るシリーズの最終回であった。
渋谷で行われたイベントTOKYO420やMASATAKA&高樹沙耶の新曲をインタビューと共に紹介した。
合法化運動について私は手数至上主義である。各々ができることを自由にすればいいと思う。
どの活動が誰に響くのかは、受け取る人によるものなのでともかく声を上げることが大事だ。
さて改正大麻取締法には付帯決議がなされた。それを受けて法務省は<刑事罰は慎重に科す>方針に変わるようだ。
さらに政府は今年3月国連麻薬委員会でハームリダクション政策(刑罰より治療)に舵を切ることを明らかにしている。
国連麻薬委員会にて「ハームリダクション(二次被害低減)」措置を認める決議が採択 2024/03/29
http://cannabis.kenkyuukai.jp/information/information_detail.asp?id=146790
問題は不起訴になって刑事罰を科されなかったとしても、長期勾留が実質刑罰であることと、勾留されている間に退学や解雇になっていたら治療が困難になること。
人質司法は国連人権理事会からも批判されている。この長期勾留を如何にやめさせるかが、私たちの目下の課題になる。
人質司法は2018年にカルロス・ゴーン氏が逮捕されてから、国際問題となって新聞社も何度も報道している。
最近では大川原化工機事件が大きく報道されている。
警察は謝らない」“人質司法”で犠牲に…当事者たちの訴え【報道特集】
https://news.yahoo.co.jp/articles/8b8a9793e17ebee1b65c956e548a4e58197f53af
法務省サイトに弁明(内容はデタラメ)が載っているが、裁判所はノーコメントを貫いている。
ところで最高裁判所の発行する広報誌「司法の窓」を読んでいくと、裁判所が世界の知見を参考にしていることがわかる。
本来なら欧米先進国に合わせて、人質司法を止めるべきと思っていても古くからの慣行を止めるのが難しいようだ。
司法の窓 第50号(最高裁判所50周年記念号) 平成9年5月発行
https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/file2/20916006.pdf
【最高裁判所から派遣される人々】
最高裁判所判事を含む多くの裁判所関係者が,最高裁判所から海外へ派遣されたり,外国を訪問したりしています。
その目的は,国際裁判官協会会議など世界の裁判官を主体とする重要な国際会議への参加,民事訴訟制度や陪審制度など諸外国の制度の研究,さらに,裁判の国際化に対応できるように幅広い視野と国際性を身に付けることなど多様です。
司法の窓第88号 令和五年発行
https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/2023/sihonomado/03_88juugonoisu.pdf
15のいす —グローバリゼーションと司法—
最高裁判所判事 長嶺安政
司法の窓第85号 令和二年
海外の知見の活用 ~よりよい裁判の実現を目指して
https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/file5/07shihounomado_85_topics3.pdf
司法の窓第77号 平成24年
https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/file2/20918008.pdf
ドイツでは,重大事件や常習犯罪者は別にして,有罪が確定していない捜査や裁判の段階で被告人を逮捕・勾留することについて,かなり慎重な姿勢を取っています。また,このことについて,捜査や裁判に支障が出るとか,治安が悪くなるとかいった批判はほとんど聞かれません。
この第77号の記事はドイツの司法が容疑者を勾留しなくても(人質司法に相反していても)全く問題ないことを報じている。
日本は国際的に批判を浴びながら、なぜやめられないのか。
行政の硬直性、マスコミの人権感覚の無さ、権力に弱すぎる国民性も原因になるだろうが、要因は裁判所と検察が癒着し過ぎていること。
かつては判検交流などというものすらあった。批判が大きくなってやめたが、癒着は簡単には治らないようだ。
国連人権理事会は日本にはまともな人権擁護機関がないも同然と宣告し、新たに独立した機関を設けるように提言している。
“日本は独立した人権機関設立を” 国連人権理事会の作業部会 2024年5月29日 23時26分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240529/k10014464751000.html
法務省が全国に敷く人権擁護委員会。それとは別に各都道府県に自治体が運営する人権専門部署がある。
それら既存の人権機関は国連からの勧告をどう受け止めるのだろうか。
番組では取材を申し込みつつ、各所にしっかりと圧力を掛けていきたい。
何はなくても手数だけは出す。それが私のセオリーである。
法務省:我が国の刑事司法について,国内外からの様々なご指摘やご疑問にお答えします。
https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/20200120QandA.html#Q3
大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
https://www.shugiin.go.jp/Internet/itdb_rchome.nsf/html/rchome/Futai/kourou835A338281511A3549258A63002F6EBC.htm
「ちょっと真面目な麻のTV」
高野泰年