阿波忌部・御殿人 三木信夫氏講演会
平成の大嘗祭と阿波からの麁服調進〜日本の伝統を守り伝える〜
御殿人 三木信夫氏を愛知県名古屋市にお招きし、
「平成の大嘗祭と阿波からの麁服調進」をテーマに、講演会を開催する事となりました。
麁服調進の伝統文化をより多くの方々にご理解・ご協力いただき、
唯一無二の日本の伝統を次の世代に継承していきたいと願っております。
御殿人のお話を直接伺える貴重な機会です。ぜひご参加ください。
古来より大麻草が繋ぐ大嘗祭と麁服(あらたえ)
新天皇が即位して初めての新嘗祭が大嘗祭なのですが、この重要な祭事に大麻の織物である麁服(あらたえ)が調進(天皇家から依頼を受けて納めること)されます。麁服の製作は古代から徳島の阿波忌部氏の三木家が、種撒きから刈入れ、製麻、織布まで全工程を統括します。天皇家と阿波忌部氏は天の岩戸神事からの強い繋がりがあります。天の岩戸神事を司ったのは阿波忌部氏の祖先である天日鷲命(あめのひわしのみこと)で、大麻を植えて産業を起こしたとして麻植神(おえのかみ)として各地で祀られています。調進物には「由加物」(食物や器、道具など)と織物として麁服と繪服(にぎたえ:絹織物)、木綿(ゆう)があります。中でも麁服は際立って特別な存在で繪服とともに大嘗宮の天皇のベッドである「第一の新座」に置かれます。麁服は大王霊という天皇の霊が着る神衣なのです。
神聖な植物とされる大麻草。令和の時代に受け継がれる皇室行事
麁服は朝廷から派遣された勅使の先導のもと、阿波忌部人の「御殿人(みあらかんど)」に厳重に守られながら阿波の旧麻植郡木屋平村から直接宮中まで届けられます。そして宮廷祭祀の長である神祇官が直接預かり丁重に保管します。他の調進物とは異なり、阿波で全ての工程を終えて京都へ運ばれるところに天皇家と阿波忌部氏の特別な関係が表れています。
参考文献・記事日本の建国と阿波忌部 林博章 著、発行
1936年徳島県美馬市木屋平 阿波忌部氏直系の三木家に生まれる。関西学院大学法学部卒業。国重要文化財 三木家28代当主。現在、「NPO法人全国重文民家の集い」代表幹事を務める。三木家は、阿波忌部(いんべ)氏直系としての忌部氏であり、上古以来歴代の践祚大嘗祭(せんそだいじょうさい)に、御殿人(みあらかんど)として「麁服(あらたえ)」を調進して、朝廷と深いつながりを持っていた。麁服調進は、南北朝動乱に至り、以降中断していたが、復活して大正・昭和の大嘗祭にその任を果たしている。平成2年の大嘗祭は、旧木屋平村・山川町の大勢の方々の物心両面での支援と協力により、麁服調進の任を果たした。
平成31年4月30日に今上天皇が退位され令和元年5月1日に前皇太子さまが新天皇に即位され、新しい時代が始まりました。大嘗祭(だいじょうさい)は天皇が即位の礼の後はじめて行う新嘗祭。この一世一度の大嘗祭でのみ神御衣(かむみそ)としてお祀りする大麻の織物が「麁服(あらたえ)」です 。麁服 は、古来より必ず阿波忌部氏の織ったものが用いられているという皇室の伝統があります。この麁服の調製を統括・管理する奉仕者を「御殿人(みあらかんど)」 と呼び、忌部直系の三木家が御殿人の家筋として固定化されておりました。この度、令和元年11月14~15日に行われる大嘗祭に向けて、御殿人 三木信夫氏を愛知県名古屋市にお招きし、「平成の大嘗祭と阿波からの麁服調進」をテーマに、講演会を開催する事となりました。麁服調進の伝統文化をより多くの方々にご理解・ご協力いただき、唯一無二の日本の伝統を次の世代に継承していきたいと願っております。
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