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地方の役所から本省を変えていく試み

国連人権理事会は日本の人権機関を役立たずとみなし、新たに独立した機関を設けるよう提言した。

“日本は独立した人権機関設立を” 国連人権理事会の作業部会 2024年5月29日 23時26分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240529/k10014464751000.html

日本には人権機関が津々浦々にある。
法務省の人権擁護局は全国の法務局に人権擁護委員を配置している。
それとは別に都道府県に人権推進課(名称はいろいろ)がある。
さらに市町村にも独自の人権啓発部署がある。

だが、国連人権理事会に言わせれば、どれも十分に機能していないのだという。

私は2年前に各県の人権窓口に問い合わせたが、薬物依存を人権問題と捉えている部署は一つもなかった。
国連人権理事会は薬物依存を人権問題と見なしていて、過去に日本政府に警告をしているが、職員は誰も知らない。
なぜなのか問い合わせをしても無視するか、貴重なご意見ありがとうございますで終わる。

10年前に国連は、大麻などの薬物は、懲罰的アプローチから人権に基づく公衆衛生アプローチを勧告。国際的に非犯罪化/合法化が進展するきっかけに。
2020/09/16
https://www.the-miyanichi.co.jp/special/dreamNews/detailep.php?id=0000222582

日本政府は3月に国際会議でハームリダクション賛成と言い出した。
国内には全然周知させていないのでやる気のほどは疑わしい。相変わらず逮捕して刑罰を科している。

国連からは人質司法や報道の自由、男女平等など様々な人権問題で日本はダメ出しを食っている。
日本政府は批判をされたら、反射的にムキになって反論をする。正に人権ならず者国家だ。

藤田早苗氏の著書「武器としての国際人権 日本の貧困・報道・差別 」集英社新書 2022/12/16 に日本政府のみっともなさがよく描かれている。

なぜこんな有り様なのか。法務省のてっぺんがよほど腐っているのだろう。
某法務局の人権擁護課に薬物依存を人権問題として扱うように要求した時に、上から命令が来ない限り無理!下から報告を上げることはないと言われた。
法務省にそれを伝えたら否定したが、たぶん本当のことだったのだろう。

地方の厚生労働局麻薬取締部に問い合わせた時でも二言目には本省に問い合わせくださいと言われる。
それで問い合わせても無視されるか、木で鼻を括ったような対応をされる。遠路はるばる訪問しても門前払いされたりする。
建物に入るのにも要件を伝えて身分証明書を見せて、セキュリティゲートを越えねばならない。
数年前に法務省に入った時は守衛が付いてきて監視してきた。<本省に問合せろ>と言われると本当に気が滅入るのである。

そこで私が発明したいのは地方の職員に本省との橋渡しになってもらい、ちゃんと国政に反映させる方法である。
法務省には法務局、厚労省には厚生局という地方の機関がある。地方の役所や窓口は気軽に入れるようになっている。
そこで解決しない問題は本省に取り上げられる。
庶民が日常的に政治に参加して世の中を変えていけるマニュアルを作るべく試行錯誤しているところである。

法務省へジワジワと圧力が掛かることを願いつつ、名古屋市が運営する人権啓発施設ソレイユプラザには三冊の本を寄付した。受け取りの審査が2週間も掛った。
人権啓発施設には書籍やDVDのライブラリーがある。そこから人質司法など刑事人権のカテゴリーを確立していく目論見である。
何しろ全国には人質司法など刑事人権を全く取り扱ってない人権啓発施設がたくさんある。
市民活動は継続していくモチベーションを維持するのが大変なので、気楽に小さなことから積み上げて、成功体験を重ねながら大きな目標を達成していくのが良いのではないだろうか。日本の人権機関は法務省の不祥事、検察や警察の過ちに関わることを取り上げないようにしているように思える。
人権擁護局にとって検察は同じ法務省内の身内なのだが、人権擁護局を名乗って冤罪や不当逮捕などの人権侵害を軽んじていいわけがない。

人権擁護局調査救済課の荒川豊協補佐官に聞き取りしたところ、下のような見解を得られた。

・誤認逮捕、不当な勾留等をはじめとする人質司法は重大な人権侵害であると考えている。
・人権の主なカテゴリーには入っていないが、人権全般の項目に当てはまり、人権侵害の被害にあっている人への必要なケア、対応は重要である。
決して国が取り組んでいない問題ではない。
・被害者が相談できるような体制をとることはもちろんのこと、相談窓口の周知、情報の提供が必要である。

ただ荒川補佐官曰く、実際にはこれまで具体的なことは何もしておらず今後も行動予定はないそうだ。
道理で全国の人権機関が刑事人権を取り扱っていないわけだ。

愛知県の運営するあいち人権センターは書籍コーナーに<刑事人権>がカテゴリ化されているのに、冤罪や検察批判の本の寄付に3週間も審査している。
4度ほど足を運んで、上の法務省の見解も伝えているのに。

やはり検察の不祥事への配慮があり過ぎるようなので、私どもが強力に後押しをしてあげるしかない。
お節介にもポスターや資料を製作して法務省に張り出したり、各地の法務局に配布して啓発をしていくことにした。
費用をこちらで持てば断る理由はないはずだが、うまくいくだろうか?
現在、啓発資料を製作中である。
人質司法の次は、より理解が進んでいない<薬物の人権>だ。
道のりは遠いが、張り切って取り組ませていただく。

ヒューマン・ライツ・ウォッチ 日本:「人質司法」による人権侵害
適正手続と公正な裁判を受ける権利を侵害される被疑者・被告人
https://www.hrw.org/ja/news/2023/05/25/japan-hostage-justice-system-violates-rights

日本弁護士連合会 「人質司法」の解消を求める意見書 2020年11月17日
https://www.nichibenren.or.jp/document/opinion/year/2020/201117.html

人質司法、自白強要、代用監獄…50年なお「冤罪」止まず 袴田さん・大川原化工機、両事件の共通点
2024年2月15日 16時00分 (2月15日 16時00分更新)
https://www.chunichi.co.jp/article/853825

高野泰年

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