今年一年、誠にありがとうございました。
「ちょっと真面目な麻のTV」第二回が24日に放送された。
医療大麻、大麻と人権、東京国際カナビス映画祭のリポートなど盛りだくさんの内容で地上波放送できることを改めて岐阜放送に感謝したい。
今回、一番に伝えたかったのは薬物を違法化しても依存者が増えてギャングが儲かるだけで、大麻使用罪などもっての外であること。
下記チャンネルで公開中なので是非視聴していただきたい。
https://www.youtube.com/@majiasatv/videos
12月25日発売の月刊サイゾーに真・大麻論という特集記事が掲載されている。
法律、技術、マンガ、タイ、アメリカ、ゲイ、動物と様々な観点から大麻にアプローチしていて、とても勉強になった。ぜひ購読していただきたい。
特にタイの現地レポートは法の運用の観点で非常に示唆に富んでいた。
タイでは医療大麻が解禁された一方、嗜好大麻は違法であるが、睡眠改善や食欲不振のためと伝えればTHCたっぷりの大麻が買える。
診断書やライセンスも要らない。販売店を開くのもオンラインで申し込むだけ。それすら省いて露店で売っている業者も多い。
元々民間医療として大麻に親しんでいる国ではあるのだが、合法化してからの動きが本当にダイナミックだ。
所持や栽培の受刑者を3000人釈放し、家庭栽培用に100万株を無料配布している。
大麻で観光客を呼び込みたいが、アムステルダムのようなルーズな感じにはしたくないというわけで、タバコ同様のマナーが求められるだけ。
2027年にはタイ国内で3兆円の規模の産業になると期待されている。
日本でおよそ1グラム6000円のところを1400円から、グレードの高いものでも4000円で購入できるので日本からも多くの愛好者が訪れている。
グレードの高い大麻は農家が1㎏でおよそ100万円、100㎏で1億円で売り、ディスペンサリーは1g100円で仕入れたものを3000円で売る。
大麻は世界一に金になる植物と言われるが、覚醒剤やコカインのように特殊な設備を要せず、収穫して乾燥させるだけで製品になる。
人類共通の財産のように思えてくる。
国連のドラッグレポートは薬物使用者のうち依存症の割合は89%、残りの11%の中でも治療の必要のある者は16%ほどだと言う。
タイはこうしたエビデンスに明るく、コカインや覚醒剤などハードドラッグの使用者にも治療プログラムを受けるなら刑事罰は科さないという。
実質的に嗜好大麻を合法化したタイ。
ヨーロッパの国々でも薬物の非犯罪化は進んでいる。非犯罪化なら国際条約に違反しない所がポイント。末端所持に対しては罰金か没収するだけ。
アメリカのオレゴン州は2021年に医療マジックマッシュルームが合法化されている。
日本には誰も守らない法律、死んだ法律がたくさんある。道路交通法や軽犯罪法、賭博罪など。
道端に唾を吐く、バットを車にしまっておく、焚火、割り込み、のぞき見、配達員に嘘の道を教えるなどは軽犯罪法違反。
パチンコ、競馬、競輪、競艇、宝くじ、オートレース、宝くじ ロト totoなど行政が賭博罪を犯しまくっている。
2020年には黒川弘務、当時東京高検検事長の賭けマージャン事件があった。
法律は柔軟に運用して、生活に役立ってこそ生きる。タイに学ぶことは多い、多過ぎる。
<ちょっと真面目な麻のTV>は来年からいよいよエンジン全開で行きたい。
本来は大手報道機関が大麻の有用性について行政を交えて徹底的に議論するべきところを、彼らは厚労省の思惑交じりの誤情報を垂れ流すのみである。
私たちは地上波テレビ番組の看板を背負って、各省庁に大麻の事実を追及していく。
本当に有害なら、何故各国が合法化するのか?
大麻による死者が何人いて、緊急搬送は何人いて、入院しているのは何人なのか? 有害性のエビデンスはあるのか。
薬物の個人使用に刑罰を科すのは人権侵害であるのに、なぜ日本はそれが正されないのか?
2023年こそ大麻元年と言える年にしたい。
高野泰年