長吉秀夫さんの講演会に参加しました
「大麻入門2019」
~禁じられた歴史と医療への未来~
第一部:講演「大麻 禁じられた歴史と医療への未来」概論
第二部:大麻ギャザリング(質疑応答など)
長吉秀夫(ながよし・ひでお)
1961年、東京生まれ。幼少より江戸葛西囃子を習得し祭り文化への造詣を深める。舞台プロデュースの傍ら、精神世界や民族文化、ストリート・カルチャーなどを中心に執筆。
『不思議旅行案内』『タトゥー・エイジ』『大麻入門』(幻冬舎)、『ドラッグの品格』(ビジネス社)、『縄文ネイティブ』(キラジェンヌ)等。
新刊に『大麻 禁じられた歴史と医療への未来』(コスミック出版)がある。
https://www.facebook.com/hideo.nagayoshi
7月5日名古屋駅前の貸し会議室で10名弱の参加者で長吉さんの講演会が開かれました。
第一部では最近明らかになった大麻の起源や世界の大麻合法化情勢、日本での展望などのお話があり、第二部では参加者同士の意見交換を行いました。2時間ほどの講演会の後、会場を移し1時間半ほど会食しました。
韓国では平昌五輪でCBDがドーピング対象から外され化粧品などで人気が出ている一方、医療大麻は医薬品に限るという強力な規制で自然食品としてのCBDを否定する動きになりかねないことが危惧されます。
アメリカでは昨年12月に産業大麻が合法化しました。次期大統領選の民主党候補者は揃って嗜好大麻の合法化を公約としています。トランプ大統領の性格から、自らの功績とするため進んで合法化するかもしれません。
マイク・タイソンを代表として150名のアスリートがWADA(世界反ドーピング機関)に対して大麻を禁止薬物リストから除外するよう求めています。THCを摂取しながら競技をして好成績を収める選手もいるそうです。
日本に近いグアムでは嗜好大麻も合法化され、6株までは自家栽培が認められ、28gまでは譲渡可能となりました。日本からも医療目的の渡航が増えそうです。
WHO(世界保健機関)はCBDやTHCの食品、医薬品について慎重ながらも、用途によって危険な薬物には当たらないと判断しています。
そしてWHOは国連麻薬委員会に「最も危険な麻薬」としての扱いをやめるように求め、2019年3月国連麻薬委員会は各国に対応の可否について聞き取りをしました。即時対応する国や来年までに決定すると答える国があるなか、日本の回答は無期限で判断不能と言ったものでした。
これほど後ろ向きの回答をする国はありません。来年の3月には各国が大麻をどう扱うのか対応が明らかになりますが、それを受けて日本はどう判断するのでしょうか。
日本では伝統的大麻農家の高齢化が進む中、規制は強化され見学が不可となったり、援農の受け入れが出来なくなり農家の負担が増すなど世界の流れに逆行しています。
CBD製のてんかん薬の治験が認められましたが、製薬会社の利権が確保され韓国のように医療大麻が一部の人間にしか恩恵のないものにならないとは言いきれない状況です。
THCの混入したCBD製品の輸入が増える中で税関と当局とで対応が定まっていないなど大麻を取り巻く環境は今まさに過渡期にあると思われます。
長らく伝統大麻に携わり山本正光さんの医療大麻裁判に協力された長吉さんやインドでアーユルヴェーダを受けている方、医療大麻を推進されている方、嗜好大麻の合法化を目指している方、大麻草のエネルギー化を考える方など参加者のスタンスはそれぞれでしたが、朗らかに意見を交換する機会となりました。
まずは日本の伝統的な大麻栽培を終わらせないことが私の目標です。その活動に活かされる情報と熱意を分けていただいたことを感謝したいと思います。
高野泰年